Taro Togo

イーコムサーベイランスの必要性について
みなさま初めまして、Behavoxで日本の代表を努めております、東郷と申します。今日はイーコムサーベイランスの必要性についてお話しさせていただければと思っております。

イーコムサーベイランスとは?
イーコムサーベイランスという単語、まだまだ聞いたことないと思います。日本語でグーグルでこの単語を検索しても何も引っかかりませんでした。英語での正式名称は、”electronic communication surveillance”で、直訳すると電子通信監視です。日本だと”メール監査”という名称で標準的に使われていると思います。本来イーコムサーベイランスとは従業員が業務用の端末(パソコンや電話など)を使用して送信する、電子的に作成されたすべての通信(Eメール、テキストメッセージ、チャットなど)を監視することを指します。北米や欧州においては金融規制当局がインサイダー取引などの金融犯罪、不正を防止する目的で、法令化され、金融機関はその実施が義務付けられるようになりました。

日本でも必要になってきている
イーコムサーベイランスは以下のような理由で、日本においても需要が増えてきています。

①企業におけるコミュニケーションの中心がオフラ
インからオンラインへ
20年前であればEメールと電話くらいの選択肢だったものが、現在ではSlackやTeamsなどのチャットツール、またZoom等のオンライン会議システム等、従業員がコミュニケーションを取る手段のオプションが爆発的に広がりました。さらに、リモートワークが普及したことにより、企業におけるコミュニケーションの中心がオフィスなどのオフラインから、チャットや会議ツールのオンラインになってきました。これらの事象は企業の労働生産性を著しく効率化した一方で、一部の反倫理的な従業員にとっては、不正や犯罪の実行に好都合な環境を作ってしまっているのも事実です。

②転職が当たり前の時代
総務省の労働力調査によると2011年から2019年の間に転職者数は284万人から351万人と30%近く増えており※1、身近な感覚としても、日本でも転職が当たり前の時代になりつつあると感じています。その中で競合他社に転職する際に機密情報を持ち出すケー

スも増えてきています。最近ではかっぱ寿司のケースが記憶に新しいと思います。もちろん転職が一般的になること自体はむしろ経済にとっては労働力の流動化も広がりプラスの側面の方が大きいと考えております。しかしながら、転職を有利に進めたいがため機密情報を持ち出してしまう反倫理的な人間も一部存在するということを忘れてはいけません。そう言った社員は普段から会社や同僚への不満をチャットツールやEメール上で露呈しているケースがあります。また彼らはコミュニケーションツールを使用し、転職先の企業とのやりとりや、社内で不正に情報入手を行っているのです。

③地政学的な問題
日本企業は地政学的に近隣諸国からのスパイに狙われているケースが増えています。ハリウッド映画のような話が実際に日本でも2020年に起こりました。警視庁公安部はソフトバンクの機密情報を不正に取得し、在日ロシア通商代表部の担当者に渡していた疑いで、同社の社員を逮捕しています。※2②と同じようにこう言った社員たちは電子コミュニケーションツール上に様々な足跡を残しているケースがあります。

従業員のプライバシーは?
従業員を監視することの重要さは理解したが、とは言っても従業員のプライバシーはどうなのか?というご質問を受けると思います。イーコムサーベイランスで監視されるのは会社から貸与された端末、アカウントのみです。これらは会社の資産ですので、それらの資産を会社が監視するすことに法律上何も問題ございません。プライバシーに関しての詳細はまた別の機会でお話しさせていただければと思っております。

イーコムサーベイランスが必要
ほとんどの管理職の方々は”うちは大丈夫!”と思っているかもしれません。恐らくほとんどの従業員の方は本当に大丈夫だと思います。ただ一人の従業員のせいで会社に大きな損害がでる可能性があるのです。日本ネットワークセキュリティ協会によると、2018年では想定損害賠償総額は国内だけでも2,684億円5,743万円、事故・事件1件当たりの損害賠償額は6億3,767万円という結果だったそうです。※3日本においてもイーコムサーベイランスの果たす役割はかつてないほどに重要になっていると感じています。